
この記事は、バリ島で旅行者が良くかかる「バリ腹」について、原因や症状、予防法そしておススメの薬などについて紹介した記事です。
せっかくのバリ島旅行がバリ腹になったら台無しに。
そうならないためにも、この記事を最後までごらんください。
せっかくのバリ島旅行、海やスパ、グルメを楽しみにしていたのに──突然お腹が痛くなったり、下痢や吐き気に悩まされたり…。そんな経験をする旅行者は少なくありません。
これが、通称「バリ腹(バリはら)」と呼ばれる症状です。
バリ腹は、現地の水や食材に含まれる細菌や環境の違いが原因で起こることが多く、衛生的に問題がある食堂に限らず、人気レストランやホテルでも発症することがあります。
軽症であれば自然に回復するケースもありますが、無理をすると脱水症状を起こしたり、旅行が台無しになることも…。
この記事では、バリ島在住者の視点から「バリ腹の原因と症状」「おすすめの市販薬」「予防のための食事・衛生対策」「万が一発症したときの対処方法」を詳しく紹介します。
正しい知識を持っておけば、バリ島でお腹を壊すリスクを大幅に減らせ、バリ腹で旅行が台無しになるなんてこともありません。
旅行前の準備や、現地での体調管理の参考にぜひ最後までご覧ください。
バリ腹以外のバリ島旅行中の病気やトラブルなどを以下の記事にまとめました。
バリ島旅行に行きたいけど、病気や事故トラブルなどが心配という方は、ぜひおこちらの記事を読んで対策などを取ってください。
>>バリ島旅行で心配なトラブルとその対策
目次
バリ腹とは?その症状と原因

バリ腹とは、バリ島で外国人旅行者がかかる発熱や腹痛を伴う下痢です。
旅行者がかかると説明しましたが、実は在住者もかかることがあり、私も先月2~3日バリ腹による下痢になっていました。
また、このバリ腹はバリ島だけの病気ではありません。
タイやフィリピン、ベトナムなど、東南アジアの国々でも同じように外国人観光客が下痢になることがあるそうです。
バリ腹の典型的な症状
個人差はありますが、バリ腹になると腹痛を伴う水のような下痢が続き、酷い人になると発熱や嘔吐、頭痛があります。
私も旅行者時代にかなり酷いバリ腹になりました。
幸い、酷い腹痛や頭痛はありませんでしたが、とにかく下痢がひどく、30分に一度はトイレに行くような状況でした。
もちろん、食欲は無く、水を飲んでもすぐに出てきてしまうといった状況。
知り合いにお願いして、病院に連れて行ってもらい、下痢止めを処方してもらったら、嘘のようにすぐに治りました。
バリ腹の原因は細菌性胃腸炎
バリ腹とは専門的にいうと病原菌(ウィルスや菌など)による細菌性胃腸炎。
不衛生な食事や飲み物による病原菌の感染が主な原因だそうです。
体内に病原菌が入ったら、すぐにバリ腹になるのかと言ったらそうではありません。
多少の病原菌が体内に入っても、人には病原菌を退治する免疫力があるので、バリ腹になると限ったわけではないのです。
この免疫力が落ちているところに、菌やウイルスが入ると、体が負けてしまいバリ腹になるんです。
だから、同じような食事をしていてもバリ腹になる人、ならない人がいたり、普段はお腹は丈夫な方でもバリ腹になったりとなるわけですね。
バリ腹対策おススメの薬

発熱や腹痛を伴う酷い下痢の場合は病院に直行ですが、そこまで酷くない、ちょっとおなかが緩かったり、胃もたれがするという場合、薬で治ってしまうことがあります。
備えあれば憂いなし。
バリ島旅行の際は念のため次に紹介する薬を持って行くといいでしょう。
日本の薬
日本人には日本の薬が一番体に合っていると思います。
次に紹介する薬はネットなどでバリ島に持って行って良かったという評判の良いお薬です。
普段飲み慣れている薬があれば、ぜひ旅行の時にカバンに入れておいてください。
正露丸
正露丸は大幸薬品の胃腸薬。
100年前からご家庭の常備薬として、おなじみの薬で、胃もたれ、食あたり、水あたりに効きます。
ワカ末錠
クラシエ製薬の下痢止め。
黄栢から抽出された塩化ベルベリンを主成分とし、食あたり水あたりによる下痢に効く。
ビオフェルミン止瀉薬
ビオフェルミン製薬の胃腸薬。
生薬、乳酸菌配合の下痢止めです。
現地の下痢止め
もし、日本から薬を持ってこなかった場合は、現地の薬を調達することになります。
下痢の事を現地の言葉でメンチレと言います。
街の薬局でメンチレと言えば、下痢止めの薬を紹介してくれます。
ただし、現地の薬はかなり強力なものもあります。
下痢は止まりますが、胃が荒れたりすることもあるので、なるべく日本の薬を飲むようにしましょう。
薬の持ち込みは税関で大丈夫?
インドネシアは麻薬や向精神薬にたいへん厳しい国です。
その為、胃腸薬など持ち込んだら空港の税関で疑われないかと心配される方もいますが、持ち込みが禁止されているのは向精神薬や麻薬類だけです。
ただし、持ち込む薬剤がどんな薬なのか、わからなければ税関職員も禁止薬剤ではないかと疑ってしまいます。
なので、薬は必ず外箱やパッケージに入れた状態で持ち込みましょう。
外箱やパッケージには薬の一般名称や含まれている薬品などが記載されているので、それを見れば禁止薬剤でないことがすぐにわかります。
バリ腹予防のポイントは食事と免疫力

バリ腹予防のポイントは、不衛生な食事や飲み物を避け、体の免疫力を低下させないようにすること。
では、具体的な方法について解説します。
不衛生な食事や飲み物を避ける
衛生的に不安なお店や飲み物は避けましょう。
基本的にツアーやカーチャーターで案内されるレストランやワルンは大丈夫です。
避けておきたいお店
- 汚く、人気のない古いワルン
- 屋台や路上販売の食べ物
- 夜市などのお店
安心なお店
- 観光客向けのレストラン
- 外国人向けホテルのレストラン
- 明るく清潔でお客さんが多いワルン
生水は飲まないように
日本とは違い、バリ島の水道は地下水をくみ上げただけで、塩素消毒などはしておりません。
その為、蛇口から出てくるお水を直接飲むような事は絶対にダメ!
必ず、スーパーやコンビニなどで売っているミネラルウォーターを飲んでください。
旅行者が使うホテルにはサービスで無料のミネラルウォーターが置いてあります。
※日本のように、水道水を塩素消毒している国は世界的に見ても少数。
バリ島だけでなく、基本的に海外では水道水は直接飲めないと思っていて間違いはないです。
また、心配な方は歯磨きやうがいの時のお水も、ミネラルウォーターを使う方がいいでしょう。
その為、中クラス以上のホテルは洗面所にも無料のミネラルウォーターが用意されています。
レストランのお水は大丈夫?
基本的に、レストランでお水(お冷)は出てきません。
ミネラルウォーターなどを頼みますので、心配いりません。
お冷を出すようなお店があっても、そのようなお店はちゃんとミネラルウォーターを使っていますから心配無用。
お皿や野菜を洗うお水は大丈夫?
観光客が行くようなレストランなどは、衛生管理をきちんとしていますから心配しないで大丈夫です。
お皿や野菜を洗浄する水は、大きなフィルターや紫外線を通して殺菌していたり、食器も洗浄後滅菌処理しています。
観光客が行かないような小さなお店の中には衛生的に不安なところもあるので、心配な方はなるべく大きなレストランで食事をとるようにしましょう。
氷は安全なの?
昔のガイドブックなどには、お店で出てくる氷は水道水(地下水)を凍らせただけだから、飲み物などには入れない方がいい、と注意喚起されていました。
しかし、現在はよっぽど田舎の店に行かない限り心配はありません。
街中のお店、レストランでは氷は専門の製氷業者から購入しており、安全できれいなお水から作られた氷ですよ。
ただし、屋台など屋外のお店では、氷を保管する箱(だいたいが発泡スチロールの箱)の衛生管理が不十分で、雑菌まみれという事があります。
夜市の屋台などでは、なるべく氷は入れない方がいいでしょう。
プールのお水を飲んじゃった?
ホテルやウォーターパークのプールは日本のプールと同じように塩素で消毒をしています。
ですので、プールの水を飲んだからと言って、すぐにおなかを下すという事はありません。
ただし、これは日本のプールも同じですが、いくら塩素消毒をしているからと言っても、飲み水ではありませんので、大量に飲んだらおなかを壊すこともあります。
なるべく飲まないような注意は必要です。
シャワーの水は大丈夫?
シャワーの水は蛇口から出るお水と同じく、地下水を使っていますから飲むことはできません。
とはいえ、肌や髪の毛から細菌などが体内に入ることはありませんので、安心して使っていただいていいかと思います。
ただし、シャワーのお水でうがいをしたり、目を洗ったりすることは、止めておいた方がいいでしょう。
体の免疫力を低下させないには?
本来であれば免疫力があるので、少々菌やウィルスが入ってもバリ腹になる事はありません。
しかし、疲れなどで免疫力が落ちていると、バリ腹になってしまう事も。
では、免疫力を落とさないためにはどうしたらいいのかを説明します。
充分な睡眠と休養
楽しいバリ島旅行。
旅行日数もあまり取らないからと言って、睡眠時間を削って遊ぶのはNG!
体が疲れると免疫力が落ちます。
しっかりとした睡眠と休憩を取りましょう。
まず夜遊びもほどほどに!
夜は犯罪の危険性も増えるので、早めにホテルに帰ってゆっくり休みましょう。
旅行スケジュールも余裕をもって!
遊びっぱなし、外出しっぱなしではなく、ゆっくりと休む時間を取りましょう。
もし、時間がもったいないというのでしたら、疲れがたまってくる2日目、3日目にスパの長時間メニューを入れましょう。
お体の手入れをしながら、ゆっくりと休んで体力を回復させてください。
慣れない食事に注意、和食を挟むとよい!
バリ島の食事は刺激的な香辛料が聞いたエスニック料理。
たまに食べると美味しいのですが、それが続くと胃腸も疲れてきます。
実はバリ島料理、結構油を使います。
これも胃腸の疲れの原因になるんですね。
知ってましたか?
免疫の多くは胃腸で作られるんですよ。
だから、胃腸が弱ったら免疫力も下がり、バリ腹になりやすくなります。
バリ島の料理だけじゃなく、和食やイタリアンなど食べなれた食事や刺激の少ない食事を挟んで、胃腸も元気にしておきましょう。
体を冷やす薄着には注意、冷たいものも避けましょう
体が冷えると免疫力が下がります。
体を冷やさないように!
南国バリ島で体が冷えるなんて・・・
と思うかもしれませんが、暑い国だからこそ、クーラーが効きすぎなんですね。
車に乗るときやレストラン、ショッピングモールなどに行くときは薄手のカーディガンなどを持って行きましょう。
それと、冷たいものの飲みすぎ注意!
3時のお茶は暖かい紅茶などにしましょう。
それと、水分補給は常温の水がベスト。
常温のミネラルウォーターを持ち歩くといいですよ。
よく「バリ島では氷でバリ腹になるから飲み物に氷は入れないほうがいい」なんていいますが。
実は氷が不衛生でバリ腹になるのではなく、冷たいのも物の飲みすぎでバリ腹になるんですね。
熱中症予防のために水分補給は大切ですが、冷たいものばかり飲むのは避けましょう。
バリ腹の対処方(治し方)
注意していても、バリ腹になってしまう事もあります。
万一バリ腹になったときの対ソ法を紹介します。
まずは安静にし、ひどい場合は病院へ
バリ腹になってしまった時は、まずは安静にし、薬などを飲んでみましょう。
食事も、おかゆやうどんなど食べなれて胃腸に負担が少ないもの。
香辛料がたっぷり入ったバリ島の料理は避けたほうが無難です。
もちろん、ジュースやビールなど冷たいものはやめておきましょう。
それでも下痢、腹痛が止まらない、吐き気や頭痛もするようでしたら病院へ!
バリ腹はバリ島ではポピュラーな病気。
大体が、下痢止めの処方と点滴で治ってしまいます。
でも、油断は大敵。
バリ腹と思っていたら、アメーバ赤痢とか腸チフスとか、本当に大変な病気の可能性もあります。
そうなったら、入院の可能性も。
とにかく、ちょっと酷いな、我慢できないなと感じたら病院に行きましょう!
海外旅行保険は忘れずに
海外の病院では治療費も高くつきます。
特に日本語が通じる国際病院では、バリ腹の治療だけでも1万円くらいはかかります。
そんなときのために海外旅行保険には入っておきましょう。
保険があれば、キャッシュレス(支払いは直接保険会社が行います)で治療をしてもらえます。
クレジットカードの付帯保険でも構いませんが、カード会員のランクによっては、治療に制限がかかったり、治療費建て替えが必要だったりします。
旅行前に、カード会社に補償内容を問い合わせておくことをお勧めします。
海外旅行保険やカード付帯保険にしても、病院に行く前にまずは保険のカスタマーサービスに連絡をしましょう。
保険によっては、使える病院、使えない病院がありますし、事前に保険会社に連絡しておけば、治療費の補償などがスムーズに行えます。
旅行に出かける前には医療保険の補償内容や万一の時の連絡先はしっかりと確認しておきましょう。
バリ腹の予防法や対処法のまとめ
バリ腹とはバリ島を訪れた旅行客がかかってしまう、腹痛や発熱を伴う下痢。
だいたい2~3日で収まりますが、その間はトイレから離れられず、せっかくの旅行も台無しに。
バリ腹の原因は不衛生な食事と免疫力の低下。
旅行客が行くようなレストランやカフェは安心して良いのですが、ローカル向けのワルンや屋台の中には衛生管理がされていないところも。
また、日本と違い水道水は殺菌されていませんので、そのまま飲むことはできません。
旅疲れや遊び疲れなどによる体力の低下。
油や香辛料の多い慣れない食事。
これらにより体の免疫力低下もバリ腹の原因の一つです。
しっかり睡眠と休息を取り、体力の低下を防ぎましょう。
また、食べ過ぎ飲みすぎには注意をし、たまには食べなれた和食を取るのも予防法の一つです。
それと、万一のことを考えての見慣れた胃腸薬をもっていくのもよいでしょう。
少々の下痢なら、日本から持ってきた薬で治ってしまうことも。
それでも、下痢が治らない場合はなるべく早く病院に行って専門医の診察を受けましょう。
日本の健康保険は利きませんから、海外旅行保険の加入をお勧めします。