バリ島のローカルドライバー・その成り立ちと問題点や将来性について




バリ島のローカルドライバー

公共交通機関が少ないバリ島、観光客の主な移動手段って何でしょうか?

シャトルバス、タクシー、カーチャーター
いろいろありますが、今回ご紹介するのはローカルドライバーです。

ローカルドライバーとは、タクシーやガイドの免許がない個人ドライバー兼ガイド
白タク、モグリガイドなんて言われています。

以前は、バリ島の観光といえばこのローカルドライバーを使うのが主でした。
しかし、現在はメータータクシーやカーチャーター、そしてオンラインタクシーなど移動方法の選択肢が増えています。
さらに、観光客とのトラブルも多いローカルドライバー。
このままいけば、将来は衰退していくでしょう。

今回の記事では、このローカルドライバーについて深堀していきます。
ローカルドライバーとは何か、その生い立ちとは。
また問題点や、なぜ衰退していくのかなどをバリ島在住歴12年の私の感想を交えてご紹介します。

バリ島旅行において、ローカルドライバーを使わざるを得ない場面もあるでしょう。
そんな時は、今回の記事を思い出し、トラブルがないようにご利用ください。

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ローカルドライバーとは

無許可のトランスポート&ガイド

バリ島において、外国人観光客を車に乗せたり、観光ガイドをするにはトランスポート免許、ガイド免許というものが必要。
しかし、これら免許を持たず、観光客を車に乗せ、ガイドをする人たちをローカルドライバーと呼んでいます。

このローカルドライバー、個人営業と思われますが、実はその地域のバンジャールという村組織が統括管理しています。
そのため、地域の人間以外が勝手にトランスポートをすることはご法度なんです。

なぜ無免許なのに営業できるのか

本来免許が必要なトランスポートやガイド。
しかし、なぜ無免許でも営業できてしまうのでしょうか?

それには2つの大きな理由があるのです。

まず一つ目はドライバー、ガイド不足。
近年バリ島を訪れる観光客が急増したため、免許があるトランスポートやガイドだけでは対応しきれなくなりました。
その為、本来であれば違法である無免許のローカルドライバーもある程度黙認という事になっています。

二つ目はバンジャールの力。
ローカルドライバーのバックは地域のバンジャールという村組織。
バリ島においてこのバンジャールの力はとても強く、警察などもうかつに手が出せない。
その為、ローカルドライバーもあまり取り締まれないのです。

どのように集客しているのか

ローカルドライバーは旅行会社やカーチャーターのように、ネットやガイドブックなどの媒体での集客はしていません。
もっぱら、街でフリー客を拾うか、ホテルやレストランからの斡旋となります。

ウブドで街中を歩いていると、タクシー?と声をかけてくる人がいますが、彼らがローカルドライバーです。
また、レストランやホテルでタクシーを頼んだ時、その地域のローカルドライバーを紹介されることがあります。

彼らはこうやってお客さんを捕まえています。

ローカルドライバーの成り立ち

世界の観光地には、タクシーや公認ガイドは沢山いますが、バリ島のようにローカルドライバーが幅を利かしているところは少ないでしょう。
では、なぜバリ島はローカルドライバーが強いのか?
それは歴史的な背景があるのです。

外国人観光客向け現地ガイド

バリ島の観光の歴史は約100年前から始まったと言われています。
その頃は、バリ島をはじめインドネシアの多くの島はオランダが植民地としていました。

1920年にオランダの定期航路がバリ島北部のシガラジャに就航。
それからバリ島は最後の楽園としてヨーロッパに知れ渡り、多くの観光客が来島したのです。

その時代は現代と違いインターネットもガイドブックもありません。
その為、バリ島を訪れた外国人は、現地の人をガイドとして雇い、道案内や文化の説明をしてもらっていました。
この時に、外国人観光客をガイドして収入を得るというビジネスモデルができたんですね。

モータリゼーションによるローカルドライバーの発生

その後、バリ島にもモータリゼーションの波が押し寄せました。
徒歩や馬などで島を回るより、車で移動した方が格段に便利。
多くの観光客は車での移動をリクエストしていったのです。

こうして、現地ガイドは車を使ったローカルドライバー&ガイドに変わっていったのでした。

国による観光事業の管理

こうやって、島内に観光客とローカルドライバーが増えると様々なトラブルが発生していきました。
バリ島を観光地として外貨獲得の主力にしようと考えたインドネシアは、トラブル防止とガイドたちの管理のためにドライバーやガイドを免許制にしたのです。

こうやって、公認のガイドやドライバーが誕生していったのですが、免許を取るには知識やお金が必要。
そのため、住民の中には免許なしで昔ながらのドライバー&ガイドを続けていく人もいました。

バンジャールによるローカルドライバー管理

とにかく、農業以外これといった産業がないバリ島。
外国人観光客が落とす外貨は、大きな収入になります。

これは、国だけではなく、村も同じ。
その為、村組織であるバンジャールが、地元のローカルドライバーたちを保護するようになったのです。

バリ島はとにかく村社会。
バンジャールの保護下にあれば、安泰です。
逆に、バンジャール外の人間にとって、そこに参入するのはとても困難。
その地区に生まれて、車があって、ちょっと英語ができればバンジャールの保護の元ローカルドライバーとして収入を得ることができます。

こうして、現代でも無免許のローカルドライバーたちが大手を振って観光客相手に商売をしているという事です。

ローカルドライバーの問題点

別に、国の管理する免許がないローカルドライバーでも、観光客に取っては問題ない!
と、思われる方もいると思いますが、実はこのローカルドライバー、様々な問題があるのです。

料金の問題

一番大きな問題は料金の問題です

メータータクシーと違い、料金メーターがないため料金はドライバーの提示料金となります。
もちろん、交渉によって値下げはしますが、一般のメータータクシーやカーチャーターより高額。

また、移動途中で料金を吊り上げたり、チップを要求したりとお金に関するトラブルが大変多いです。

タクシーやカーチャーターなら、このような時、会社にクレームを入れれば、それ相当の対応をしてくれます。
しかし、ローカルドライバーはバンジャールが管理。
バンジャールにとって一番大切なのは、その構成員ですので、クレームを聞き入れてくれることは期待できません。

ガイドの質

ローカルドライバーはガイド免許もないドライバーです。
下手をしたら運転免許もない可能性もあります。

その為、一部ドライバーは大変質が悪い。

まず、日本語はおろか英語も怪しいという人もいます。
観光地での案内が適当。
連れて行くだけ連れて行って、あとは勝手に見てこいといったこともあるとか。

また、仕事に対してとても緩い。
時間を守らないのはもちろんの事、送迎を頼んだら車に家族が載っていたとか。
あと、途中で寄り道されたとか、道を知らなかったとか・・・

もちろん、ちゃんとした方もいますが、やはり質の悪いドライバーが多いのは事実ですね。

排他的、独占的

バンジャールがバックについていますので、とても強気です。

バンジャール外の人はそのエリアではドライバーやガイドとしてお客さんを取ることはできません。
もちろん、メータータクシーやGrab Taxiなどのオンラインタクシーも乗車禁止。
ちなみに、乗車禁止の規則はバンジャールが決めていることで、国や州にはそのような規則はありません。

バンジャールは地元の雇用を確保するためと言っていますが、そのつけはすべて観光客が払うことになります。

ホテルやレストランでタクシーを頼んだら、ローカルドライバーが来たという事があると思います。
これは、ホテルなどがある地域のバンジャールの圧力によるもの。
バンジャールのローカルドライバーに仕事を回すために、ゲストがタクシーを呼ぶ場合はローカルドライバーを呼べと圧力をかけているのです。
断れば、道路を封鎖したり、夜通し大きな音をたてたりと、嫌がらせをされるので、ホテルも泣く泣くいう事を聞いているのです。

ローカルドライバーの将来

基本的に衰退していく

昔のように他に選択肢がない時は、ほとんどの観光客はローカルドライバーを使っていました。
しかし、タクシーやカーチャーター、オンラインタクシーなど選択肢が増えた現代。
多くの観光客はローカルドライバーを使わない方向に向かっています。

エリア内では、ローカルドライバー以外使えない
と、思われているでしょうが、実は事前にカーチャーターやメータータクシーなどを予約しておけば、ちゃんと使えます。
路上でフリー客を拾う事が禁じられているだけなのです。

このことを知っている観光客は、事前に安いタクシーなどを予約して、ローカルドライバーは使わないようにしています。

また、Grab TaxiやGo-Jekといったオンラインタクシーがその勢力範囲を延ばしてきています。
彼らのバックは世界的な大きな会社です。
金銭的、政治力的にも、いちバンジャールは、かなわないでしょう。

このような事から、ローカルドライバーはだんだん減退していくと思います。

一部の優秀なドライバーは残る

では、すべてのローカルドライバーが職を失うのかというと、そうではありません。

顧客対応がしっかりできるドライバー
将来の事をちゃんと考えているガイド

このような人たちは、オンラインタクシーに転職したり、自分で旅行会社やカーチャーター会社を興したりといった形で残っていきます。
ちゃんとプロの仕事をするドライバーは残るんですね。

観光客としての接し方

最後に、観光客としてどのようにローカルドライバーと接したらよいかをお伝えします。

基本、ローカルドライバーは使わないという考えを持ちましょう。
事前にカーチャーターを頼むとか、ちょっとエリア外まで出てメータータクシーやオンラインタクシーを頼む。
このような対応をされるといいでしょう。

とはいえ、ウブドの街中のように、どうしてもローカルドライバーしかいない場合。
まず料金は高くつくという事を覚悟しましょう。
高いと言っても相場の20%アップ程度です。

そして、料金交渉は必要です。
とにかく、相手の言いなりになるのではなく、かならず交渉しましょう。
どうしても、値段が下がらない場合は、使わないというのもよい選択です。

という事で、今回はバリ島のローカルドライバー&ガイドについてご紹介させていただきました。
仲の良いローカルドライバーがいる方には、ちょっと厳しい内容でしたが、多くの観光客はローカルドライバーに対しかなりのマイナスイメージを持っています。
タクシーマフィアという言葉もあるくらいですからね。

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