
この記事は2020年9月からバリ島で運用が開始された公共路線バス・トランスメトロデワタ(Trans Metro Dewata=TMD)について紹介した記事です。
この記事では、トランスメトロデワタの路線図や運賃、使い方、運賃支払い方法などを紹介していますので、バリ島内をなるべく安く移動したいと考えているかたは、ぜひこの記事を最後までお読みください。
トランスメトロデワタは政府からの補助金の関係で2025年1月1日から運休をしていましたが、2025年4月20日より運行を再開いたしました。
この記事では運行再開後の最新の情報を紹介しています。
鉄道や路線バスなど公共交通機関が充実していないバリ島。
移動にはタクシー利用が主流ですが、節約旅行をしている旅行者にとってタクシーはちょっと予算オーバー。
少しくらい時間がかかってもいいので、安い公共交通機関が欲しいですよね。
そこで紹介したいのが、トランスメトロデワタという路線バスです。
この路線バスは、デンパサールを中心に、空港、クタ、サヌール、タバナン、そしてウブドをつなぐ路線バス。
便数も多く、料金もとてもリーズナブルな交通機関です。
この記事では、節約旅行をされる旅行者におススメのこのトランスメトロデワタについて、路線や利用方法などをご紹介します。
ローカル向けの路線バスですが、空港や遠距離バスのターミナルにも乗り入れていますので、旅費を安く上げたい節約旅行の方におススメできる移動方法です。
時間に余裕があるときには、ぜひご利用ください。
路線バス以外のバリ島内移動手段は以下の記事にまとめてあります。
もっとラク~な移動方法が見つかりますよ~
>>バリ島内のおススメ移動法
今回の記事執筆において以下のコンテンツを参考にさせて頂きました。
>>Trans Metro Dewata Bus Stop | Bali Backpacker’s Guide Line
目次
トランスメトロデワタとはなに?

トランスメトロデワタ(Trans Metro Dewata=TMD)とは、インドネシア運輸省がバイクや車に変わる、大規模交通システムとしてスタートさせた循環公共バスプロジェクトで、バリ島をはじめソロなど5都市で行われています。
バリ島では2020年6月にプロジェクトがスタートし、105台の中型バスが導入され、まず2020年9月にデンパサール市内の路線がスタート。
その後、路線の追加やルートの変更などを経て、2024年8月現在6路線で運行していましたが、インドネシア政府からの補助金の関係で2025年1月1日に突然運休となりました。
その後、地元の方からの強い要望もあり、バリ州の運営として2025年4月20日より6路線75台の車両にて運航再開となりました。
すでにバリ島にはトランスサルバギータ(Trans Sarbagita)という公共のバスシステムがありますが、トランスメトロデワタはトランスサルバギ-タに比べ車体が小さいので道が狭いデンパサール市内やウブドエリアでも運航が可能。
さらに、低床式バスなのでトランスサルバギータのように高床式のバス停が不要と、トランスサルバギータに比べかなり改善されているように感じます。
※2021年末よりトランスサルバギータは路線変更により空港乗り入れ路線はなくなりました。
現在、空港乗り入れはこのトランスメトロデワタのみとなっています。
トランスメトロデワタの路線図
トランスメトロデワタはデンパサールを中心に6路線あります。
各路線Koridor1~6の路線番号が振ってあります。
(Koridorとは、インドネシア語で路線という意味です)
路線図の大きい画像は以下リンク先よりダウンロードできます(PDFファイルになります)
トランスメトロデワタ路線図(リンクツリー)

トランスメトロデワタ路線図
Koridor1(K1)

セントラルパーキングクタからウブンバスターミナル、ムングイバスターミナルを通りタバナンまで行く路線です。
<主な停留所>
- セントラルパーキングクタ(K2,K5,K6路線と接続)
- ウブンターミナル(K2,K3,K4路線と接続)
- ムングィターミナル(遠距離バスターミナル)
- プルシアパンターミナル・タバナン
- ムングィターミナル
- ウブンターミナル(K2,K3,K4路線と接続)
- セントラルパーキングクタ
Koridor2(K2)

ウブンターミナルからGORングラライと経由しデンパサール市内を通りセントラルパーキングクタの前を通りデンパサール空港の国際線ターミナルと国内線ターミナルに行く路線です。
<主な停留所>
- ウブンターミナル(K1,K3,K4路線と接続)
- GORングラライ(S1,S2路線と接続)
- パサールクレネン
- セントラルパーキングクタ(K1,K5,K6路線と接続)
- デンパサール空港国際線&国内線ターミナル
- セントラルパーキングクタ(K1,K5,K6路線と接続)
- GORングラライ(S1,S2路線と接続)
- ウブンターミナル
Koridor3(K3)

ウブンターミナルからデンパサール市内レノン地区を抜けてサヌールビーチを経由してIcon Bali Sanurまで行く路線です。
<主な停留所>
- ウブンターミナルから(K1,K2,K4路線と接続)
- (レノンエリア)
- パンタイ・シンドゥ・ティムール(K5路線と接続)
- Icon Bali
- パンタイ・シンドゥ・ティムール(K5路線と接続)
- (レノンエリア)
- ガトゥバラット
- ウブンターミナル
Koridor4(K4)

ウブンターミナルからティティバンダ、バトゥブランを通りウブドのモンキーフォレストまで行く路線です。
<主な停留所>
- ウブンターミナル(K1,K2,K3路線と接続)
- ティティバンダ(K5と接続)
- バトゥブラン
- セントラルパーキング・ウブド・モンキーフォレスト
- バトゥブラン
- ティティバンダ
- ウブンターミナル
Koridor5(K5)

セントラルパーキングクタを出て、バイパスをジンバラン方面に走り、ユダヤナ大学エリアを通ってポリテクニック・ヌガリ・バリまで行きます。
帰りはセントラルパーキングクタを通り、サヌール方面を抜けてティティバンダまで行きます。
<主な停留所>
- セントラルパーキングクタ(K1,K6路線と接続)
- (トゥバンエリア~バイパス~ジンバラン~ユダヤナ大学)
- ポリテクニック・ヌガリ・バリ
- (ユダヤナ大学~ジンバラン~バイパス)
- セントラルパーキングクタ前(K2路線と接続)
- パンタイ・シンドゥ・ティムール(K3路線と接続)
- ティティバンダ(K4路線と接続)
- パンタイ・シンドゥ・ティムール(K3路線と接続)
- セントラルパーキングクタ
Koridor6(K6)

セントラルパーキングクタを出て、サンセットロード、バイパスを走り、デンパサール空港の国際線ターミナルと国内線ターミナルにより、ヌサドゥアのセントラルパーキングITDCまで行く路線です。
<主な停留所>
- セントラルパーキングクタ(K1,K2,K5路線と接続)
- (サンセットロード~バイパス)
- デンパサール空港国際線&国内線ターミナル
- (バイパス)
- ヌサドゥア・セントラルパーキングITDC
- (バイパス)
- デンパサール空港国際線&国内線ターミナル
- セントラルパーキングクタ
トランスメトロデワタの利用方法
バス停や乗降車方法、料金支払いなどを解説します。
タイムスケジュール
トランスメトロデワタには、タイムスケジュールはなく、各路線20分おきの出発となっています。
バスが行ってしまっても20分程度待っていれば次のバスが来ます。
各路線の運航予定は以下の通りです。
路線 | ターミナル | 始発便発車時刻 | 最終便発車時刻 |
K1 | セントラル パーキングクタ | 04:30 | 18:30 |
K2 | ウブンターミナル | 05:00 | 18:30 |
K3 | ウブンターミナル | 05:00 | 19:10 |
K4 | ウブンターミナル | 05:00 | 18:40 |
K5 | セントラル パーキングクタ | 05:00 | 18:45 |
K6 | セントラル パーキングクタ | 05:00 | 19:10 |
(最終便出発時刻は前後することがあります)
バス停の表示

トランスメトロデワタのバス停には、トランスサルバギータのような高床式のバス停はありません。
道に写真のようなバス停の表示がありますので、これの表示の下でバスをお待ちください。
行き先の確認

バスの全面と背面には、路線番号(K1,K2,K3,K4,K5,K6)と行き先が電光掲示パネルで表示されています。
単一路線しか通らないバス停の場合は、来たバスに乗ればいいのですが、ウブン・バスターミナルのように、複数路線が使っているバス停では路線番号と行き先を確認してください。
また、運転席の前に「Ubud」「Ubung Bus Terminal」と行先を表示してる路線もありますので、注意してください。
乗車・降車方法
バスはドライバーだけのワンマン運転です。
乗り口は先頭部、降り口はバスの中央部になります。

乗車したら、ドライバー席横のカードリーダーの右側(NUSANTARAという表示がある部分)に電子マネーカードを接触させ料金支払いをします。
電子マネーカードがない方は、スマホ決済アプリ(OVO,Go-Pay、Shop-Payなど)を使います。
カードリーダーの画面にQRコードが表示されますので、アプリを立ち上げ、QRコードを読み支払いをします。
バス内では前面の電光掲示板に次のバス停の表示、またバス停が近づくとアナウンスが流れます。
停車ボタンはないので、降りる場合は席を立ってドライバーに声をかければ、中央ドアを開けてくれます。
お客さんがいてもいなくても、停留所には止まります。

料金と支払い方法
料金は一路線Rp4.400(約40円)。
同一路線内ならどこで乗っても、どこで降りてもRp4.400です。
支払い方法ですが、現金は使えず電子マネーカードもしくはスマホ決済アプリを利用します。
電子マネーカード
電子マネーカードは、4銀行から以下の名称で発行されています。
- BNI銀行 TAP Cash
- BCA銀行 Flazz(おすすめ)
- Mandiri銀行 e-Money(おすすめ)
- BRI銀行 Brizzi

この写真は、筆者のe-moneyカード(Mandiri銀行)です。
実は、このカードはバリ島の海上高速道路(ヌサドゥア~空港~サヌール)の料金支払いにも使えるんです。
この電子マネーカードは、各銀行の窓口で販売されています。
以前はコンビニでも販売されていましたが、現在は銀行窓口のみとのこと。
お金のチャージはコンビニ(IndomaretもしくはAlfa Mart)や銀行窓口でできます。
Indomaretに確認したところ、コンビニ店頭でのチャージはMandiriもしくはBCA発行のマネーカードのみだそうです。

デンパサール空港ですと、国内線ターミナルにあるMandiri銀行のブースにて販売しています。
1枚Rp27.500(約250円)。
ただし、課金されていないので、カードを購入したらおなじ国内線ターミナル内にあるコンビニ(Indomaret)で課金をしてください。
バス運賃の支払い方法ですが、乗車時に運転席横にあるカードリーダーにカードを当て、支払います。
日本のスイカなどと同じ使い方になります。
スマホ決済アプリ
スマホ決済アプリは日本のPay Payのようなアプリで、インドネシアではOVO,Go-Pay、Shop-Payといったアプリがよく使われています。
アプリをスマホにインストールし、コンビニやオンラインバンク、銀行ATMなどからお金をチャージしておきます。
バス乗車時にアプリを立ち上げておき、運転席横に掲示されているQRコードをアプリで読み、決済をします。
便利なモバイルアプリをダウンロードしよう
トランスメトロデワタ専用のモバイルアプリがありますので、ぜひスマホにインストールしてみてください。
アプリ名は「Trans Metro Dewata」で、Google Play、Apple Storeどちらからでもダウロード可能。
以前は「Mitra Darat」というアプリを使っていましたが、現在は「Trans Metro Dewata」アプリに変わりました。
以下、モバイルアプリの各ページを説明します。
アプリでは、Google Mapデーターや現在位置データーを使用しますので、スマホの位置情報をONにしてお使いください。
ホームページ

アプリを開けるとまずホームページが表示されます。
メニュー紹介
・Semua Bus:すべてのバスの運行状況がわかります
・Info Rute:路線の紹介
・Bus Terdekat:近くにいるバスの検索
・AR Shelter:機能不明?
Semua Bus(全運行状況)

すべての路線の運行状況が判る画面です。

右下の現在位置マークをタップすると、現在いる場所周辺がクローズアップされます。
近くのバス停と、運航しているバスの位置が表示されます。
バスの位置がわかるので、どれくらい待てばバスが来るのかがおおよそわかります。
Info Rute(路線図案内)

バス路線図が表示されます。
運行時間(OPERASIONAL)も表示されます。
路線番号(K1B~K6B)をタップすると路線詳細が表示されます。

K4B路線を選んでみました。
路線図とバス停の名称、そして現在その路線を走っているバスの車両番号が表示されます。
Bus Terdekat(近くにいるバス検索)

現在地の近くにいるバスが表示されます。
トランスサルバギータと接続して行動範囲を広げよう
バリ島には、以前からトランスサルバギータという路線バスが、南部バイパスを中心に運行しています。
このトランスサルバギータとうまく接続すれば、行動範囲はかなり広がります。
トランスサルバギタについては以下の記事で詳しく解説しています。
トランスサルバギタの路線図と使い方
トランスサルバギータ運行路線

バリ島内をかなりカバーするはずだったトランスサルバギータですが、現在は以下2路線のみ運行しています。
Koridor1
デンパサール市内のGORングラライからバイパスを通りジンバランを抜けGWKカルチュアルパークまで行く路線です。
<主な停留所>
- GORングラライ(K2,S2路線と接続)
- (デンパサール市内)
- サンラー病院前
- プルムコンプレックスブラン(K2,K6路線と接続)
- (バイパス・ジンバラン)
- GWKカルチュアルパーク
- (バイパス・ジンバラン)
- プルムコンプレックスブラン
- サンラー病院前
- GORングラライ
バイパスから空港の取り付け道路に入りますが、プルムコンプレックスブランでUターンをし、空港内には乗り入れしません。
Koridor2
GORングラライからトパティ交差点を通りティティバンダによってからバトゥブランまで行く路線です。
<主な停留所>
- GORングラライ
- (トパティ交差点)
- ティティバンダ(K4、K5路線と接続)
- バトゥブラン(K4路線と接続)
- ティティバンダ
- GORングラライ
サルバギータとデワタの接続ポイント
GORグランド(デンパサール)
GORグランド(正式にはGOR Ngurah Rai)はデンパサール中心部にある広い運動公園で、この周囲に、トランスメトロデワタとトランスサルバギータのバス停があります。
トランスサルバギータ:S1、S2路線
トランスメトロデワタ:K2路線
プルムコンプレックスブラン
プルムコンプレックスブランはデンパサール空港取り付け道路の手前にあるバス停で、ヒルトンガーデンイン・バリ・ングラライホテルが近くにあります。
トランスサルバギータ:S1路線
トランスメトロデワタ:K2,K6路線
ティティバンダ
ティティバンダ停留所はバイパス上にあるバス停ですが、標識も何もない場所ですので、ちょっとわかりにくいかもしれません。
トランスサルバギータ:S2路線
トランスメトロデワタ:K4,K5路線
バトゥブラン
バトゥブランターミナルは以前は長距離バスのターミナルでしたが、現在はターミナルとしては使っておらず、バス停は旧ターミナルの周辺になります
トランスサルバギータ:S2路線
トランスメトロデワタ:K4路線
観光客が利用する価値はあるの?
トランスメトロデワタは、基本的にローカル向けの交通手段です。
でも、なるべく移動費を安く上げたい旅行者にとって、うまく使えば便利で利用価値の高いもなんですね。
では、旅行者にとって、どんな利用価値があるのか私なりの評価を紹介します。
空港から街、街から空港へのアクセス利用
デンパサール空港国内線ターミナルに乗り入れを行っております。
空港乗り入れ路線は2路線だけですが、路線を乗り継ぐことにより、空港からクタ、ウブド、タバナン、サヌール、ヌサドゥア方面への移動も可能です。
タクシーやカーチャーターが主だった空港からの移動に、乗り換えなどが必要とはいえ、ウブド、タバナン方面への移動の選択肢が増えたことは旅行者にとって大変ありがたいことだと思います。
インドネシア長距離バスへの接続利用
トランスメトロデワタの巡回ルートには、ウブン、ムングィといった長距離バスターミナルがルートに入っています。
これにより、ジャカルタ、スラバヤなど遠隔地から長距離バスで移動してきた旅行者が、安価なトランスメトロデワタでクタ、ウブドといったエリアに移動ができるようになります。
また、逆にバリ島から遠距離バスを利用する旅行者にとっても、便利なバスト言えるでしょう。
ローカルエリアへの移動
トランスメトロデワタのメインのルートはデンパサールを中心としたローカルエリア。
さらに、クタ、サヌール、ウブドといった旅行者滞在エリアにも接続しているので、ローカルエリア特に入国管理事務所など官公庁に用事のある旅行者にとって便利かと思います。
さらに、バス停でトランスサルバギータにも接続しているので、ヌサドゥア、サヌール、ジンバランと言ってエリアにも移動が可能となります。
路線バス・トランスメトロデワタのまとめ
2020年より運行が開始された路線バス・トランスメトロデワタ。
2025年1月に一度運休となりましたが2025年4月20日から再開。
ウブンバスターミナルを中心に、サヌール、タバナン、クタ、ウブド、ヌサドゥアそして空港などに行く6路線が運行しております。
基本的にローカル向けの交通機関ですが、空港(国内線ターミナル)に乗り入れをしており、タバナンやウブド方面にも移動できるので、海外からの旅行者も利用価値があります。
また、ムングィバスターミナルにも乗り入れていますので、長距離バス利用者も便利に使えるでしょう。
タクシーやカーチャーターに比べ、時間がかかりますが、運賃はとても安い。
時間はあるから、なるべく旅費は抑えたいという節約旅行をされる若い旅行者におススメの移動手段かと思います。