
この記事は2020年9月からバリ島で運用が開始された路線バス・トランスメトロデワタについて紹介した記事です。
鉄道や路線バスなど公共交通機関が充実していないバリ島。
移動にはタクシー利用が主流ですが、節約旅行をしている旅行者にとってタクシーはちょっと予算オーバー。
少しくらい時間がかかってもいいので、安い公共交通機関が欲しいですよね。
そこで紹介したいのが、トランスメトロデワタという路線バスです。
この路線バスは、デンパサールを中心に、空港、クタ、サヌール、タバナン、そしてウブドをつなぐ路線バス。
便数も多く、料金もとてもリーズナブルな交通機関です。
この記事では、節約旅行をされる旅行者におススメのこのトランスメトロデワタについて、路線や利用方法などをご紹介します。
ローカル向けの路線バスですが、空港や遠距離バスのターミナルにも乗り入れていますので、旅費を安く上げたい節約旅行の方におススメできる移動方法です。
時間に余裕があるときには、ぜひご利用ください。
<2022.03.02追記>
これまで4路線でしたトランスメトロデワタに5つ目の路線が追加されました。
<2022.11.02追記>
長らく無料でしたトランスメトロデワタも、2022年10月30日より有料となりました。
料金は一路線Rp4.400です。
<2023.04.12追記>
2023年4月1日より路線、ルートが変更になりましたので、路線、ルート情報を修正しました。
路線バス以外のバリ島内移動手段は以下の記事にまとめてあります。
もっとラク~な移動方法が見つかりますよ~
>>バリ島内のおススメ移動法
今回の記事執筆において以下のコンテンツを参考にさせて頂きました。
>>Trans Metro Dewata Bus Stop | Bali Backpacker’s Guide Line
ウブドからウブンバスターミナルまでの体験動画です。
目次
トランスメトロデワタとはなに?

トランスメトロデワタ(Trans Metro Dewata)とは、インドネシア運輸省がバイクや車に変わる、大規模交通システムとしてスタートさせた循環公共バスプロジェクトで、バリ島をはじめソロなど5都市で行われています。
バリ島では2020年6月にプロジェクトがスタートし、105台の中型バスが導入され、まず2020年9月にデンパサール市内の路線が、そして2022年01月までに合計5路線が運行を始めました。
新しい路線にはデンパサール空港やウブドエリアに行く路線もあります。
すでにバリ島にはトランスサルバギータ(Trans Sarbagita)という公共のバスシステムがありますが、トランスメトロデワタはトランスサルバギ-タに比べ車体が小さいので道が狭いデンパサール市内やウブドエリアでも運航が可能。
さらに、低床式バスなのでトランスサルバギータのように高床式のバス停が不要と、トランスサルバギータに比べかなり改善されているように感じます。
※2021年末よりトランスサルバギータは路線変更により空港乗り入れ路線はなくなりました。
現在、空港乗り入れはこのトランスメトロデワタのみとなっています。
トランスメトロデワタの路線図
トランスメトロデワタはデンパサールを中心に5路線あります。
各路線Koridor1~5の路線番号が振ってあります。
(Koridorとは、インドネシア語で路線という意味です)

トランスメトロデワタ路線図
Koridor1(K1B)

セントラルパーキング・クタ~ターミナル・ウブン~ターミナル・ムングィ~タバナン
長距離バスターミナルであるムングィ、ウブンを結び、さらにクタセントラルパーキングまで伸びるルートです。
ジャカルタなど遠距離からバスで移動してきた旅行者に利用価値が高いルートですね。
ターミナル・ウブンでK2B,K3B路線と、セントラルパーキング・クタでK2B路線と接続します。
Koridor2(K2)

ターミナル・ウブン~セントラルパーキング・クタ~デンパサール空港国内線ターミナル
空港乗り入れ路線です。
空港からクタエリアを通り、デンパサール市内を抜けてターミナル・ウブンに行きます。
セントラルパーキング・クタでK1B,K5B路線と、GORングラライでK4B路線、ターミナルウブンでK1B,K3Bと接続します。
Koridor3(K3)

マタハリビーチ(サヌール)~デンパサール・レノン地区~ウブンバスターミナル~西ガツゥ
サヌールのマタハリビーチからデンパサールの官庁街・レノンエリアを通りウブンバスターミナルを経由して西ガツゥまで行く路線です。
マタハリビーチには定期連絡船の港があるので、レンボンガン島などに行く方は利用されるかと思います。
ターミナル・ウブンでK1B,K2B路線と接続します。
Koridor4(K4)

GORングラライ~トパティ~バトゥブラン~スカワティ~マス~ウブド
ウブドエリアに行く路線になります。
デンパサールの北側を通ってウブドに行くので、クタ、サヌールエリアから利用する場合は、バスの乗り換えが必要となります。
GORングラライでK2B路線と接続します。
Koridor5(K5)

セントラルパルキル・クタ~バイパス~マタハリビーチ~セントラルパーキング・クタ~ジンバラン~ポリテックニックバリ
セントラルパーキングクタからバイパスを通りサヌールのマタハリビーチに行きます。
そこからまたバイパスを通りセントラルパーキングクタに戻ってきますが、さらにバイパスを通りジンバランのポリテクニック迄向かい、帰りはトゥバンを通りセントラルパーキングクタに戻ります。
セントラルパーキングクタでK1B,K2B路線と、マタハリビーチでK3B路線と接続します。
トランスメトロデワタの利用方法
バス停や乗降車方法、料金支払いなどを解説します。
タイムスケジュール
トランスメトロデワタには、タイムスケジュールはなく、各路線10分おきの出発となっています。
バスが行ってしまっても10分程度待っていれば次のバスが来ます。
各路線の運航予定は以下の通りです。
- Koridor1 04:30-17:50(クタ出発時刻)
- Koridor2 04:30-18:53(ウブン出発時刻)
- Koridor3 04:30-18:53(ウブン出発時刻)
- Koridor4 04:30-18:10(GORングラライ出発時刻)
- Koridor5 04:30-15:00(クタ出発時刻)
この時間はGORングラライ、ウブンバスターミナル、セントラルパルキルクタなどのハブステーション出発時刻になります。
バス停の表示

トランスメトロデワタのバス停には、トランスサルバギータのような高床式のバス停はありません。
道に写真のようなバス停の表示がありますので、これの表示の下でバスをお待ちください。
行き先の確認

バスの全面と背面には、路線番号(K1,K2,K3,K4,K5)と行き先が電光掲示パネルで表示されています。
Koridor4のように単一路線しか通らないバス停の場合は、来たバスに乗ればいいのですが、ウブン・バスターミナルのように、複数路線が使っているバス停では路線番号と行き先を確認してください。
乗車・降車方法
バスはドライバーだけのワンマン運転です。
乗り口は先頭部、降り口はバスの中央部になります。

乗車したら、ドライバー席横のカードリーダーに電子マネーカードを接触させ料金支払いをします。
電子マネーカードがない方は、スマホ決済アプリ(OVO,Go-Pay、Shop-Payなど)を使います。
カードリーダー横にQRコードが掲示されていますので、決済アプリを立ち上げ、QRコードを読んで決済をします。
バス内では前面の電光掲示板に次のバス停の表示、またバス停が近づくとアナウンスが流れます。
停車ボタンはないので、降りる場合は席を立ってドライバーに声をかければ、中央ドアを開けてくれます。
お客さんがいてもいなくても、停留所には止まります。

料金と支払い方法
料金は一路線Rp4.400。
同一路線内ならどこで乗っても、どこで降りてもRp4.400です。
支払い方法ですが、電子マネーカードもしくはスマホ決済アプリを利用します。
電子マネーカード
電子マネーカードは、4銀行から以下の名称で発行されています。
- BNI銀行 TAP Cash
- BCA銀行 Flazz
- Mandiri銀行 e-Money
- BRI銀行 Brizzi

この写真は、筆者のe-moneyカード(Mandiri銀行)です。
実は、このカードはバリ島の海上高速道路(ヌサドゥア~空港~サヌール)の料金支払いにも使えるんです。
この電子マネーカードは、コンビニ(インドマレットかアルファマート)もしくは、各銀行の窓口で購入できます。
お金のチャージもコンビニや銀行窓口でできます。
※2023年4月現在、バリ島内では銀行窓口でしかカードの購入はできないようです。コンビニではチャージしかできません。

デンパサール空港ですと、国内線ターミナルにあるMandiri銀行のブースにて販売しています。
1枚Rp27.500(約250円)。
ただし、課金されていないので、カードを購入したら向かいのIインドマレット(コンビニ)で課金をしてください。
バス運賃の支払い方法ですが、乗車時に運転席横にあるカードリーダーにカードを当て、支払います。
日本のスイカなどと同じ使い方になります。
スマホ決済アプリ
スマホ決済アプリは日本のPay Payのようなアプリで、インドネシアではOVO,Go-Pay、Shop-Payといったアプリがよく使われています。
アプリをスマホにインストールし、コンビニやオンラインバンク、銀行ATMなどからお金をチャージしておきます。
バス乗車時にアプリを立ち上げておき、運転席横に掲示されているQRコードをアプリで読み、決済をします。
便利なモバイルアプリをダウンロードしよう
トランスメトロデワタ専用のモバイルアプリがありますので、ぜひスマホにインストールしてみてください。
アプリ名は「Teman Bus」で、Google Play、Apple Storeどちらからでもダウロード可能。
ただし、インドネシア国内専用アプリですので、日本でダウンロードする場合はスマホのGoogleアカウントの居住地をインドネシアにしてからダウンロードしてください。
注意:Googleアカウントの居住地は一度変更すると1年間は変更できなくなるので、ご注意ください。
以下、モバイルアプリの各ページを説明します。

Beranda:路線図ページ
アプリのホーム外面を開けると、バスの路線図とバス停が表示されます。
地図の右下にある現在地マークをタップすると現在地を中心とした地図になるので最寄りのバス停がわかります。

Pesan:ニュースページ
ニュースページでは、いろいろなキャンペーンやニュースが表示されます。

Jadwel:運行状況
運行状態のページを見ると、最寄り路線のバスの現在位置がわかるようですが、あまりあてになりません。
こんな形ではなく、GPSで地図上にバス位置を示してくれたらいいのにと思います。

Hatel:バス停紹介
各路線のバス停案内画面です。
バス停はインドネシア語でHalte(ハルテ)といいます。
バス停名をタップすると、バス停の位置の地図が表示されます。
トランスサルバギータと接続して行動範囲を広げよう
バリ島には、以前からトランスサルバギータという路線バスが、南部バイパスを中心に運行しています。
このトランスサルバギータとうまく接続すれば、行動範囲はかなり広がります。
トランスサルバギタについては以下の記事で詳しく解説しています。
トランスサルバギタの路線図と使い方
トランスサルバギータ運行路線

バリ島内をかなりカバーするはずだったトランスサルバギータですが、現在は以下2路線のみ運行しています。
Koridor1
GORグランド(デンパサール)~セセタン通り~バイパス・ングラライ~シンパンシュール・デワ・ルチ~バイパス・ングラライ~ングラライ国際空港前~ジンバラン~ユダヤナ大学~GWKカルチュアルパーク
デンパサール中心部からローカルエリアを通り、バイパスへ。
そのままバイパス沿いにジンバランまで移動し、ユダヤナ大学前を通りGWKカルチュアルパークへ行きます。
ングラライ国際空港に立ち寄りますが、ターミナル内には入りません。空港敷地前で引き返します。
Koridor2
GORグランド(デンパサール)~シンパンシュール・デワルチ~クタセントラルパーキング~サンセットロード~シンパンシュール・デワルチ~バイパス・ングラライ~ンぐら頼国際空港前~ヌサドゥアITDCパーキング
バトゥブランからヌサドゥアまで行く路線で、途中クタエリアに入っていきます。
デンパサール~クタ~ヌサドゥアの移動に利用できます。
ングラライ国際空港に立ち寄りますが、ターミナル内には入りません。空港敷地前で引き返します。
サルバギータとデワタの接続ポイント
GORグランド(デンパサール)
GORグランド(正式にはGOR Ngurah Rai)はデンパサール中心部にある広い運動公園で、この周囲に、トランスメトロデワタとトランスサルバギータのバス停があります。
トランスサルバギータ:Koridor1/Koridor2
トランスメトロデワタ:Koridor2/Koridor5
クタセントラルパーキング
クタセントラルパーキングはクタ中心部からちょっと東に行った場所にあるパーキングで、横を走るクタ通りにバス停があります。
トランスサルバギータ:Koridor2
トランスメトロデワタ:Koridor 1/Koridor2
観光客が利用する価値はあるの?
トランスメトロデワタは、基本的にローカル向けの交通手段です。
でも、なるべく移動費を安く上げたい旅行者にとって、うまく使えば便利で利用価値の高いもなんですね。
では、旅行者にとって、どんな利用価値があるのか私なりの評価を紹介します。
空港から街、街から空港へのアクセス利用
デンパサール空港国内線ターミナルに乗り入れを行っております。
空港乗り入れ路線は1路線だけですが、路線を乗り継ぐことにより、空港からクタ、ウブド、タバナン方面への移動も可能です。
タクシーやカーチャーターが主だった空港からの移動に、乗り換えなどが必要とはいえ、ウブド、タバナン方面への移動の選択肢が増えたことは旅行者にとって大変ありがたいことだと思います。
インドネシア長距離バスへの接続利用
トランスメトロデワタの巡回ルートには、ウブン、ムングィといった長距離バスターミナルがルートに入っています。
これにより、ジャカルタ、スラバヤなど遠隔地から長距離バスで移動してきた旅行者が、安価なトランスメトロデワタでクタ、ウブドといったエリアに移動ができるようになります。
また、逆にバリ島から遠距離バスを利用する旅行者にとっても、便利なバスト言えるでしょう。
ローカルエリアへの移動
トランスメトロデワタのメインのルートはデンパサールを中心としたローカルエリア。
さらに、クタ、サヌール、ウブドといった旅行者滞在エリアにも接続しているので、ローカルエリア特に入国管理事務所など官公庁に用事のある旅行者にとって便利かと思います。
さらに、バス停でトランスサルバギータにも接続しているので、ヌサドゥア、サヌール、ジンバランと言ってエリアにも移動が可能となります。
路線バス・トランスメトロデワタのまとめ
2020年より運行が開始された路線バス・トランスメトロデワタ。
ウブンバスターミナルを中心に、サヌール、タバナン、クタ、ウブド、そして空港などに行く5路線が運行しております。
基本的にローカル向けの交通機関ですが、空港(国内線ターミナル)に乗り入れをしており、タバナンやウブド方面にも移動できるので、海外からの旅行者も利用価値があります。
また、ムングィバスターミナルにも乗り入れていますので、長距離バス利用者も便利に使えるでしょう。
タクシーやカーチャーターに比べ、時間がかかりますが、運賃はとても安い。
時間はあるから、なるべく旅費は抑えたいという節約旅行をされる若い旅行者におススメの移動手段かと思います。
コメント
非常にためになりそう(次回バリに行けるようになったら!)な情報ありがとうございます。これを使ってクタ方面に行くとしたら…と想定してGoogle Mapで経路検索をしてみましたが、まださすがに公共交通機関を使う経路は出てきませんでした…。そのうち反映してくれるといいなぁ。 いつも良い情報ありがとうございます!
こんにちは!メッセージありがとうございます。
また、ウブドからクタに行く方法など、まとめたいと思います。
よろしくお願いします。
このバスはスーツケース持って乗れるんですかね?
はい、先日も私、Lサイズのスーツケースもって乗車しました。